寒い季節になると気温が下がると共に空気が乾燥し、様々なウィルスが蔓延しやすくなります。
その中でも毎年のように胃腸炎が流行しているのはご存じですか?
特に保育園や幼稚園、高齢者施設などの免疫力の低い子どもや高齢者が集団で過ごしている場所で感染が広がりやすいようです。
そして子どもの胃腸炎が保護者に移り「一家で胃腸炎感染」なんてこともあるんですよ。
我が家も去年は胃腸炎に苦しめられたのよ! 何が大変って、汚れた衣類やシーツなんかの処理がもう大変だったの!
そう、胃腸炎の主な症状は嘔吐、下痢です!
大人であればトイレに駆け込んだりすることが出来ますが、小さなお子さんなどはオムツから便が漏れてしまったり、吐き気を知らせることが出来ずその場で吐いてしまったりして周囲を汚してしまうことが多いのです。
この便や吐物の処理が大変大変!
何度も繰り返される嘔吐、下痢に洗濯が間に合わない!なんて経験された方も多いのではないでしょうか?
そして汚れた衣服どのように処理していますか?
サッと洗って洗濯機?それともそのまま洗濯機していいのでしょうか?
後者はほとんどいないと思いますが、便や吐物には目に見えないウイルスがたくさんです。
洗濯方法を誤るとそこから一気に感染が広がってしまうこともあります。
我が家は固形物を除いてから手洗いで洗剤で洗って洗濯機に入れていたんだけどこれでいいのかしら?
さぁ、果たしてわかなさんの処理方法は正しいのでしょうか?
今回は冬に流行する胃腸炎について簡単に説明しながら汚れてしまった衣服などの適切な処理方法についてお伝えしていきたいと思います!
もうすぐ流行りだす胃腸炎に向けてしっかり予習をして、いざという時に慌てずに済むようしっかり頭に入れておきましょう!
もくじ
胃腸炎には種類があるの?ウイルス性胃腸炎?細菌性胃腸炎?詳しくご紹介!
胃腸炎とは胃・小腸・大腸に炎症が生じることで胃や腹部の痛み、吐き気、下痢等の症状が起こることを言います。
また発熱を伴うこともあり、頭痛や倦怠感を感じる人もいるようです。
これらは一過性のものが多く「急性胃腸炎」と呼ばれています。
胃腸炎を大きく分けると「ウイルス性胃腸炎」と「細菌性胃腸炎」に分けられ診断されることが多いです。
また、どちらの胃腸炎かによって原因や治療法が異なってきます。
少し専門的なお話になってしまいますが
胃腸炎がどのような病気か、どのような危険性を秘めているのかを知っておくことでより除菌の大切さを感じることができると思います。
そのうえできちんとした処理を施し、冬の感染症に備えていって欲しいと思います。
ウイルス性胃腸炎ってなに?
はてな 【ウイルス性胃腸炎とは】 ウイルスが胃腸に入り込み、胃腸の働きを悪化させる為、急な嘔吐や下痢の症状が現れること。 【主な原因ウイルス】 ・ノロウイルス ・ロタウイルス いずれも晩秋~春先にかけて発生しやすい。
ノロウイルス・ロタウイルスそれぞれの特徴は?
1.ノロウイルス
ノロウイルス 11月頃から患者数が増え始め、12~1月には流行のピークを迎えます。 ノロウイルスは遺伝子型の種類が多く、1度感染してもまた違う型に感染するということも!その為感染を予防するワクチンは開発されていません。
【潜伏期間】
・12~48時間
【症状】
・37~38度の発熱。それに伴い筋肉痛や頭痛を感じることも。
・水様性の下痢が続く。
ノロウイルスに感染しても嘔吐などの症状はなく、軽い風邪症状のみで済む場合もあります。 これを「不顕性感染」といいます。 症状がなくともウイルスを保菌している可能性もある為、身近に嘔吐、下痢の症状のある方がいる場合は十分な注意が必要です!
【感染経路】
・人から人への感染。
・牡蠣などの二枚貝を食べることによる感染。
牡蠣などの二枚貝は体内にウイルスを蓄積していることがある為それが感染源になることがあるチュー! 加熱調理用の牡蠣は必ず熱を加えてから食して欲しいチュー!
【治療方法】
ノロウイルスには抗ウイルス剤がない為、患者の症状に合わせ吐き気止めや整腸剤、解熱剤などを服用する対処療法が一般的です。
注意ポイント 抵抗力の低い子どもや高齢者は度重なる嘔吐・下痢により脱水症状を起こすことも! いきなり多量の水分を摂取してしまうと、また嘔吐や下痢を起こしてしまう為少量ずつこまめに経口補水液などを飲むと良いでしょう。 水分を摂取できない状況の場合は医療機関を受診し、点滴の処置を受けて下さいね!
2.ロタウイルス
ロタウイルス 1月頃から発症者が増え始め、3月~5月には流行のピークを迎えます。 主に乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。ほぼすべての子どもが、5歳までにロタウイルスへの感染すると言われているほど感染力が強いそう。 そして初めて感染したときの症状が最も強く、ひどい場合は入院が必要になることもあります!
ロタウイルスは任意の予防接種があります。
・初回の標準的接種期間は生後2月から出生14週6日後までとされており2回に渡って接種を行います。
・ロタウイルスの予防接種は液体ですので、経口接種になります。
【潜伏期間】
・2~4日
【症状】
・39度を超える高熱。
・水様性の下痢が長く続く。時には白い便が見られることもある。
【感染経路】
・人から人への感染。感染力が強い為手を拭いたタオルでさえ感染源になることもあります。
【治療方法】
ノロウイルス同様対処療法がとられる。
抵抗力の弱い乳幼児は重症化しやすく、けいれんや、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などの合併症を引き起こす恐れがあります。 まれに死に至る場合もあるため注意して経過を観察しましょう。
細菌性胃腸炎ってなに?
はてな 【細菌性胃腸炎とは】 ・ウイルスや菌に汚染された食品を食べたり、水を飲んだりすることで起こる腹痛、下痢が主症状。 ・夏場に多くみられる。 細菌性胃腸炎は食中毒として起こることが多いみたいだチュー! 夏場に耳にするO-157が一番ひどい症状の例みたいね!怖いわ~! 【主な原因細菌】 ・カンピロバクター菌 ・サルモネラ菌 ・病原性大腸菌
カンピロバクター菌・サルモネラ菌・病原大腸菌それぞれの特徴は?
1.カンピロバクター菌
カンピロバクター菌 家畜や野鳥、野生動物の消化管に存在しているカンピロバクター属の細菌が、その排泄物で汚染された食品や水などを介して人の消化管に感染する。
【潜伏期間】
・2~10日
【症状】
・血便がみられることもある。
・38度~40度の高熱。
子どもや高齢者、抵抗力が低下している人は重症化する可能性があり、稀に敗血症や髄膜炎などの合併症を起こすこともある。 また近年、稀にギラン・バレー症候群を発症するケースも知られている。 【ギラン・バレー症候群】 四肢や顔、呼吸器官に麻痺などが起こる神経疾患。 急速に悪化し重症化すると呼吸困難に陥ることも。
【感染経路】
・主に鶏肉から感染することが多い。生や加熱不足で食べることで少量でも感染する。
通常の加熱調理で死滅しますが、低温には強いため、冷蔵庫で保存していたとしても注意が必要です!
【治療方法】
・特に治療をしなくても1週間以内に治るため、対症療法を基本とする。
・水分、塩分補給をこまめに行い、食事は消化の良いものを少量ずつ摂取すること。
・自己判断で市販の下痢止めを使用すると、最近を排出することができなくなる為避けた方が良い。
2.サルモネラ菌
サルモネラ菌 サルモネラ属の細菌によって引き起こされる。生卵(鶏卵)を経由して感染することが主だが、食肉やペット(特にミドリガメ)からの感染もしばしばみられるようです。
【潜伏期間】
・5~72時間(平均12時間)
【症状】
・38度前後の発熱。
・水様性の下痢が続く。
子どもや高齢者、抵抗力が低下している人は重症化しやすく、菌血症を起こすと合併症を起こすこともある為注意が必要!
【感染経路】
・汚染された食品が原因となる「食中毒」による感染。
・感染者やペットのふん便が原因となる“感染症”による感染。
【治療方法】
・感染初期や軽症の場合は整腸剤や補液による対症療法を行う。
・重症化した場合は抗菌薬(ニューキノロン系)を1週間投与します。
・カンピロバクター菌同様、菌の排出を妨げない為下痢止めは服用しないこと。
3.病原性大腸菌
病原性大腸菌 健康保菌状態で家畜が腸管内に保持しており、これらの糞便に汚染された食肉、それらに接触したあらゆる食品が原因となる。
【潜伏期間】
・3~5日
【症状】
・強い腹痛から始まり数時間後に水様性の下痢を起こす。
・下痢症状開始から1~2日後に血性下痢(ほとんどが血液)が見られる。
溶血性尿毒症、血小板減少性紫斑病、脳症などの重篤な合併症を起こすことがある。 溶血性尿毒症は下痢が始まってから約1週間前後に約3%の患者に発症し、重症の場合は死に至ります。
【感染経路】
・汚染された食品(特に生肉)を食べることで感染。
・患者の糞便などを介して人から人への二次感染することもある。
【治療方法】
・主に対処療法を行う。
・症状の度合いに合わせ抗菌剤を使用していく。
・菌の排出を妨げない為下痢止めは服用しないこと。
ウイルス性胃腸炎よりも細菌性胃腸炎の方が重症化や合併症のリスクも上がりやすいんだチュー!
本当!細菌性胃腸炎って怖いわね。
だからこそ自己判断はせず、体調が悪い時にはすぐに医療機関へ行って診察してもらい、早期に治療を開始することが大切なんだチュー!
胃腸炎で汚れちゃった!正しく処理や洗濯をしてウイルス撃しよう!
ここまでは胃腸炎がどのようなものなのかお伝えしてきました。
胃腸炎とは主に嘔吐・下痢を伴うことがほとんどでしたね。
ここからはご家庭で嘔吐・下痢の症状が見られる方が出たとき、どのように後処理をしたらよいのかについてお伝えしてきたいと思います。
そうそう!私の処理の仕方が正しいのか、早く知りたいわ!
慌てないで欲しいチュー!まずは処理をする前に気を付ける点をお伝えするチュー!
吐物、便を処理する際に気を付けておきたいこと
①嘔吐発生後は処理する人以外近寄らないようにする。
(吐物の中心2メートルは吐物が飛散している可能性が高い)
②換気をする。
(空気が通り抜けるよう2カ所ほど大きく窓を開けることが好ましい)
③処理担当者は必ずマスク、手袋、エプロンなどを身に着ける。
(処理後はシャワーを浴びることが好ましい)
後処理に必要なものは?
次に処理をする際に必要なものをご紹介!
普段から「嘔吐セット」として準備しておくといざという時にすぐに作業に取り掛かれますよ!
準備品リスト
【次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方】
ご家庭であるものを使って簡単に消毒液を作ることが出来ます。
必要なモノ
【手順】
- ペットボトルのキャップを使いそれぞれの分量の塩素系漂白剤を入れる。
- ペットボトルに水を入れる。
- よく振って混ぜる。
ココに注意
・希釈した物は時間が経つにつれて効果が薄まる為、なるべくその都度作るほうが好ましい。 ・保管したい場合はアルミホイルで包み遮光し、2週間以内に使い切ることを目安にしましょう。 ・希釈したものを保管する際は、飲料水と間違わないように目印をつけておきましょう。
除菌作業開始!!
準備が完了したらいよいよ除菌開始。
今回は衣服の除菌方法について詳しくお伝えしていきますね!
まず知っていて欲しいのは胃腸炎にかかった際の嘔吐物や便には強いウイルスが含まれているってことでチュー!
そんなウイルスがたくさん付着した衣服などはなるべく破棄してしまった方が良いと言われています。
でもお気に入りや大切なお洋服だってあるし…簡単には捨てられないわ。
わかなさんの言うように簡単に買い換えられないものだってあると思うチュー! 洋服以外にも布団やマットレスだってあるチュー!
そんな時には以下の方法で除菌作業をしてみましょう!
参考
胃腸炎が流行ってもこれで安心!除菌・洗濯でウイルスともおさらば!
今回は胃腸炎について詳しく説明していくと共に、いざという時にどのように対処していけばよいかお伝えしました。
突然やってくる嘔吐や下痢って焦ってしまいますよね!
まずは患者さんの嘔吐が一時的にでも落ち着くのを待ち、それから後処理をしていくことが大切です。
除菌方法やグッズ、消毒液の作り方などをメモして「嘔吐セット」として準備しておくと、誰が対処するにもわかりやすくて良いかと思いますよ!
私も今までの処理方法では足りていない所を今回学ぶことができたわ!今年の冬は安心して対処できそう!
わかなさんのように感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しっかりと除菌や対策をすることでウイルス感染のリスクは格段に下がります。
もちろん普段から手洗いうがいをこまめにすることも大切ですよ!
大切なのはしっかり予防すること、いざという時にしっかり対処できるよう準備をしておくことです。
皆さんも早速「嘔吐セット」の準備を始めちゃいましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。