エアコンの動きがいつもと違うとき、何が原因だと最初に考えますか?
多くの人が室内に設置されているエアコン(室内機)のチェックを最初にするでしょう。
しかし、エアコンの不調は室外機が原因になっている場合も多いのです。
室内機に室外機はセットになっていて、室外機が動かなくなると室内機にも影響を及ぼしてしまいます。
でも、室外機ってじっくり見ないし、どんな役割なのかも詳しくは説明できないですよね。 室内機に比べると、室外機はなんだか影が薄い感じもします。
- 室外機の役割について
- 室外機が動かなくなってしまう原因について
- 室外機が動かない場合の対処法について
- 室外機の掃除の仕方について
今回の記事では、以上の4つについて詳しく紹介していきます。
是非、最後まで読んでみてくださいね。
もくじ
1 エアコンと室外機の働き
室外機は、エアコンの稼働に大きく関係があるのです。
実際に室外機が動かないと、どういう問題が起こるのでしょうか?
エアコンと室外機がセットということは知っている人は多いでしょう。 でも、室外機の働きってどんなものか詳しく知っている人って少ないかもしれませんよね。
室外機の働きは、実はとても重要なものです。
簡単に説明すると、冷房を使う場合に室内の熱を外に放出する役割があります。
また、暖房を使う際には室内へ熱を送り込むような役割を果たしています。
1-1 2つの基板
エアコンには「電源基板」と「制御基板」の2つの基板があります。
電源基板 室外機と室内機のファン、コンプレッサーなどに 電力を供給する働きを行っている。
制御基板 温度を感知して、コンプレッサーに動作命令を出す働きを行っている。 制御基板に異常が起こると、電源は入るのにエアコン自体が起動しないという問題が起こる。
エアコン内の2つの基板は、エアコンに命令を出す大切な役割を担っています。
基板が故障すると命令が正しく出されなくなり、室外機が動かなくなってしまうのです。
1-2 コンプレッサーとコンデンサー
エアコンは室内の熱を外に排出することで、部屋の温度を調節しています。
エアコンを使用する際には、内部にあるコンプレッサーとコンデンサーが非常に重要な働きをしているのです。
冷房を使う場合を例に挙げて紹介します。
名称 | コンプレッサー | コンデンサー |
別名 | 圧縮機 | 凝縮器 |
働き | 冷媒により運ばれてきた熱を圧縮し、約80~90度にする。室外機から熱を外に排出する。 | 熱を排出することで液体になった冷媒を凝縮器を通して冷液体にする。 |
冷媒とは? エアコン内の熱を温度が低い場所から高い場所へ移動する為に使われる流体のことを冷媒と言います。 冷媒は、室内機(エアコン)と室外機を繋ぐパイプの中を循環しているのです。 室内の熱は、冷媒の流れに乗ってパイプ内を循環し、熱交換器まで運ばれます。
コンプレッサーは、エアコンの機能内でも特に重要な部分です。
エアコンの心臓部とも言われています。
コンプレッサーに問題が起こると、室内の熱を外に出すことができなくなるのです。
室内の熱を逃がせないと冷たい風を出せず、冷房が機能しません。
また、外に熱を逃がす為のファンにも影響が出てしまい、室外機が動かなくなります。
注意 コンプレッサーは程度によりますが、1番高くつく修理とも言われています。 コンプレッサーが故障した場合には、修理を辞めて買い替える方が安くつくことが多いです。
1-3 ファン
室外機には、熱を外に排出する為のファンがついています。
コンプレッサーによって冷媒ガスが高温になり、ファンによって冷やされます。
この際に、熱だけが外に排出されるという仕組みです。
ファンに問題が起こると、冷媒を冷やすことができなくなります。
また、ファンが回らないことで室外機も動かなくなるのです。
2 室外機が動かなくなる6つの原因と対処法
エアコンはコンパクトな見た目に反し、どの箇所も重要な働きをしています。
エアコンの動作に関わる部分が故障することは、室外機の動作不良へと繋がるのです。
ここからは室外機が動かなくなる原因とそれぞれの対処法について説明していきます。
2-1 室外機が凍る
気温が低くなる冬期には、室外機が凍ってしまうことがあります。
時間が経って氷が溶けたとしても、その水が再び室外機内で凍ってしまうことがあります。
ファンが回転する際に、凍った部分にぶつかり破損する可能性も出てくるのです。
また、室外機が雪を吸い込んでしまうと、除霜運転に切り替わることがあります。
除霜運転になると、水が多く出てしまいます。
たくさん出てしまった水が、更に室外機内で凍ることもあるので注意が必要です。
対処法①待つ
時間が経って氷が解けると再びまた使える場合があります。
暫く待つと、室外機が再び動きだす可能性もあるでしょう。
また、室外機が凍って動かない場合には、霜取り運転に自動で切り替わります。
霜取り運転は、熱交換器を暖かくすることで霜を溶かすという仕組みです。
待っていると再び使えるようになることがあるので、まずは待ってみましょう。
対処法②室外機にカバーをかける
室外機に雪が入らないように対策するのもおすすめです。
または、日当たりの悪い場所に室外機を置いている場合は日当たりのいい場所に変えてみましょう。
雪が積もりにくい場所や、凍ってしまうような場所に置かないことをおすすめします。
エアコンカバーはこちらがおすすめ
室外機のカバーは様々なタイプのものがあり、どれを選べばいいか悩むでしょう。
こちらの商品はアルミ製なので、雨や雪などによる劣化に強いという特性があります。
室外機の大きさに応じて色々なサイズが用意されているので、必ずぴったりのものが見つけられるはずです。
アルミ製を選択すると長く使用できること間違いなしですよ。
対処法③寒冷地用の室外機に替える
頻繁に室外機が凍ってしまって困る場合には、室外機の見直しも検討してみてください。
寒冷地では、通常の室外機とは違う「寒冷地用の室外機」を使用している家庭がほとんどです。
寒冷地用の室外機にはヒーターが搭載されていて、凍りにくくなっています。
通常、寒冷地以外の地域では普通の室外機を使用していることが多いです。
対策をしても繰り返し凍ってしまう場合は、寒冷地用の室外機を導入してみましょう。
2-2 室外機が熱を持ちすぎている(室外機の周りにものを沢山置いている)
寒い時期には「凍る」という心配があります。
しかし、逆に夏のように暑い時期にも室外機が動かなくなる可能性があるのです。
室外機が熱を持ちすぎてしまうと、エアコン内部のシステムエラーが起こりやすくなります。
室外機は、熱を持ちすぎると、システムを守ろうとして機能を停止することがあります。
また室外機の周りにものが多いと、熱がこもりやすくなるので注意しましょう。
室外機内の空気の循環が悪くなり、室外機が動かなくなることもあるのです。
対処法①室外機の周りにはものを置かないようにする
室外機の周りにものがたくさん置いてある場合は、なるべく置かないようにしましょう。
ものがたくさん置いてあると、室外機の風通しが悪くなってしまいます。
すると、暑い時期には室外機に熱がこもりやすくなります。
室外機の上に植木鉢などを置いている家庭もあるのではないでしょうか?
「室外機の周り」は、室外機の上も含まれます。
もし何か置いているという人は、置くのを辞めることで熱がこもるのを防げるはずですよ。
対処法②熱がこもらないような商品を使う
室外機の暑さ除けといえば、日よけを思い浮かべる人が多いでしょう。
日よけももちろん、暑さを防ぐ効果が期待できます。
加えて、すだれを室外機から1メートルほど離したところに設置するのもおすすめです。
夏の熱対策にはこちらがおすすめ
こちらの商品は「断熱シール」です。
室外機の上部にペタッと貼るだけなので、かなり手軽に使用することが可能です。
貼るだけで直射日光を跳ね返す効果が期待でき、室外機の汚れ予防に活躍してくれますよ。
すだれや日よけは、風の強い日などに倒れなり飛ばないか心配になることもあるでしょう。
その心配もないので、とてもおすすめです。
注意 熱がこもったから水をかけて冷やすという考えの人もいるかと思います。 しかし、水が誤って内部に入り込んでしまうと故障の原因にも繋がるので、やめましょう。 どうしても水をかける場合には、真上からのみにしてください。 下からや真横からは、故障の可能性が高まるので注意が必要です。
2-3 室内温度と設定温度が近い
冷房を使用する際に、設定温度より室内温度が高ければ室内機と室外機は両方機能します。
しかし、室温が設定温度より低い場合に室内機は動いていても室外機は停止することがあります。
暖房運転時にも、室内温度が設定温度より高い場合には同じ現象が起こることがあるのです。
室外機が動かなくなりますが、特に故障とかではないので心配しないでください。
室内温度と設定温度が近い場合にエアコン内で制御機能が働いているだけです。
エアコンの運転モードが「自動」になっている場合も同じような現象が起こることがあります。
対処法 室内の温度を確かめる
室内の温度に対して、設定温度がどうなっているか確認しましょう。
エアコンの制御機能が働いているので大丈夫な場合が多いのですが、念のため故障しているか確認してみてください。
故障しているか調べる方法は以下です。
・室内温度に対し、設定温度を極端に下げてみる または 上げてみる
(冷房使用時には下げ、暖房使用時には上げる)
・設定温度を変えてみても室外機が動かないかどうか調べる
・動いていなければ、故障している可能性がある
2-4 運転モードが原因になっている
エアコン本体とリモコン側の運転モードが違う場合にも室外機が停止することがあります。
暑い時期に冷房をかけているつもりで、リモコンでは暖房運転のボタンを押している場合などです。
設定温度を下げようとリモコン操作をしても、運転モードが間違っている為、室外機は動きません。
対処法 運転モードをよく確認する
運転モードがきちんと今使いたいモードになっているかを確認してください。
間違っていた場合には、運転モードを切り替えることで室外機もまた動くようになるでしょう。
2-5 室外機に汚れが溜まっている
室外機に汚れが溜まり過ぎると目詰まりが起こり、室外機が動かなくなるときがあります。
汚れが溜まると、室外機の排熱機能が上手く働かなくなります。
熱を逃がすことが上手くできず、室外機に負荷がかかりすぎて故障に繋がる可能性も出てくるのです。
対処法 点検も兼ねた掃除をする
室外機は外に置くことが想定されており、汚れには強いという性質があります。
なので、頻繁に掃除をする必要はありませんが、少なくても年に2回はしっかりと掃除をしましょう。
タイミングは冷暖房を使い始める時期の少し前(5~6月、10~11月)頃がおすすめです。
2-6 室外機以外の問題
「エアコンが故障している」という呼び出しの内に本当に故障している場合は5~6割程度のようです。
残りは、小さなミスや勘違いであることが多くなっています。
よく見られる原因は以下の2つです。
①コンセントが抜けていた(ブレーカーが落ちていた)
エアコンを使っていない時期にコンセントを抜いておく人もいますよね。
コンセントを挿していない状態では、室内機も室外機も動いてはくれません。
エアコンのコンセントは室内の1ヵ所のみなので、まずは確認してみてください。
エアコンの掃除をする際にコンセントを抜きますよね。 エアコンが起動しないという問題が起こったとき、まずコンセントからチェックしてみてくださいね。
また、コンセントはさしていても、ブレーカーを落としている場合もあります。
コンセントとセットで、分電盤のブレーカーもチェックするようにしてみてください。
②リモコンが故障している、または電池切れ
リモコンが原因となっているという事例は非常に多いのが現状です。
「少し前まで使えていたエアコンが急に使えなくなった!」という場合は、リモコンをまず確認してみてください。
リモコンの液晶の文字が薄くなっている場合には電池切れを疑ってみましょう。
また、室内機を掃除の際にスプレータイプの洗浄液がリモコンの信号を受け取る部分にかかってしまうと故障してしまうことがあります。
エアコン洗浄スプレーを使う場合には、十分に気を付けてくださいね。
どちらも1回はやってしまう可能性の高そうな勘違いですよね。
故障と決めつけてしまう前に、1回はこちらの2つも確認してみてください。
3 室外機が動かなくならない為にも定期的に掃除をしよう
室外機は外に置くことを想定に作られています。
その為、雨や風にも強く、多少の汚れには強くなっています。
汚れには強いので、頻繁に掃除をする必要はありません。
しかし、月に1回程度は室外機を点検することをおすすめします。
ついでに簡単に室外機についたホコリをとりましょう。
月に1回、室外機を点検するといくつかメリットがあります。
・汚れがたくさん溜まる前だから掃除が楽 ・室外機の故障を防ぐことができる ・室外機の不調に早く気づきやすい ・定期的に掃除をすると節約になる
エアコンの室外機の要でもある「ファン」。
ファンにはホコリが溜まりやすく、ホコリが溜まるとファンを回す為に余分な電力を使ってしまいます。
室外機の掃除を定期的にしておくと、電気を浪費することなく、節約にも繋がりますよ。
室外機を軽く掃除しておくだけで電気代を節約できるなんて嬉しいですよね。 溜めて掃除をすると大変ですし、早くからちょっとずつ掃除しておくことを心がけておきましょう!
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3-1 お手入れ方法
室外機の簡単な掃除は、ブラシと掃除機を使うと楽です。
ブラシは歯ブラシを使っても掃除ができます。
ですが、掃除用のポイントブラシを使うとより楽に掃除できるのでおすすめです。
室外機のお掃除におすすめ
掃除用のポイントブラシは、室外機の細い網目を掃除するのにピッタリです。
KEYUCAのポイントブラシは更に小さなサイズもあります。
用途や掃除する場所によって使い分けるとより便利ですよ。
以下に場所ごとの掃除方法と注意点を紹介していきます。
室外機の外側 ・最初は、室外機を置いてある場所の周辺は箒などで掃き、綺麗にしましょう。 ・吹き出し口の網目状の部分は、歯ブラシなどの小さなブラシでゴミを掻き出します。 ・掻き出したゴミは掃除機で吸い取ります。 ・泥汚れなどある場合は、軽く水洗いしてください。 (水を使う場合は少量に留めてくださいね。)
フィン ・隙間にゴミが詰まっている場合には、歯ブラシなどでゴミを取り除いてください。 (フィンは繊細なので、無理に力を加えて掃除しないように注意。)
ドレンホース ・ドレンホースは、室内機の熱交換器に溜まった水を排出する役割があります。 ・ホース内には、砂が入り込むことや虫が巣を作ることもあるので、割りばしなどでゴミを掻き出してください。 ドレンホースにつけて害虫予防 ドレンホースを気にしたことがある人は少ないはずです。 しかし、放置しているとゴキブリなどの害虫が侵入する可能性があります。 ホースの先端にドレンキャップをつけておくと、害虫の侵入を防ぐことができるのです。 つけるだけで簡単なので、是非対策しておくことをおすすめします。
フィルター ・室外機の裏側にあるフィルターを確認し、ゴミが詰まっていたら掃除をしましょう。 ・フィルター(空気の吸込み口)についたホコリや砂ぼこりをとります。 ・汚れを取る際は、室外機内部にホコリなどが落ちないようにブラシなどで掻き出します。 ・取りにくい場合には、掃除機で吸い取るようにしてください。 ・最後に外側を雑巾などで水拭きをします。
室外機の内部 ・室外機を分解して掃除する必要があるので、自分でやるのは避けましょう。
3-2 室外機の内部の掃除はプロのお任せしよう
室外機の内部に汚れが溜まってしまった場合は分解をする必要があります。
知識がないまま分解してしまうと故障に繋がることもあります。
無理に掃除しようとせず、プロに掃除を任せてしまいましょう。
私がおすすめするエアコンクリーニングのサービスを2つ紹介します。
おすすめエアコンクリーニングサービス①
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室外機が動かないときには焦らず原因を調査しよう
この記事では、室外機が動かないときに考えられる原因について説明しました。
室外機が動かない理由はすぐ対処できるものから修理や掃除などプロの力を借りるべきものまで様々でしたね。
見ただけですぐ何が原因か分からない場合も多いと思います。
室外機が動かないと思ったときには、とりあえず以下の3つを試して欲しいです。
①室外機の周囲にあるものをどかす ②設定温度を確認する ③コンセントを挿しなおす
3つのことを試して直らなければ、プロの力を借りるのもいいでしょう。
更に、日ごろから室外機の点検をすることや簡単な掃除をしていくことも大切です。
室外機が動かないと思ったときに、この記事の内容が役に立てれば嬉しいです。
問題が起こっても、焦らず原因を究明してみてくださいね。